「国力維持・向上」にむけて
9月第2週 2011/09/07
~私学助成と私学跋扈と就業率の関係を精査すべき時~
以前から気になっていたことは、私学助成が機能的に、効果的に、インセンティブのある制度になっているかということである。また、日本における私学の数が適正であるか、また私学を通じた「就業率」言い換えれば「就業力」がほんとうに評価された私学助成になっているのかということだ。
23年度の予算額は4368億円となっており、内訳は私立大学等経常費補助金3209億円、私立高等学校等経常費補助金1002億円、私立学校施設整備補助金157億円である。
今後の日本の成長力や競争力を高めていくために、「教育力」こそが大きな柱となることは論を待たないが、「成長力」や「競争力」に対する基本的な考え方が整理されていなければ、「教育力」に対する「投資予算」が無駄に使われることにもなりかねない。
昨今、理工系の学生が激減していること、海外に出て自らを競争にさらす学生が減少していることは、あらゆる統計データから垣間見ることができる。世界の新しい企業家として20代の学生が現れたり、世界の経営者はインド人が多数を占めたり、アジアにおける留学生の人口比率では、日本は中国・韓国に大きく水を開けられている。
私学においても、就業力を高める努力をしている大学も多数見受けられるが、私学全体の調和を重んじる余り、インセンティブが働かずに、民間企業における「優勝劣敗」「自浄作用」「切磋琢磨」がおこらないようでは、努力している私学に対しても気の毒なことである。大学病院を充実させて、その利益から大学教育を充実させ、学費を軽減させている私学などは、もっと評価しても良いのではないかと感じる。
私学助成の目的に①私学の教育条件の維持向上②学生等の就学上の経済的負担の軽減③私学経営の健全性の向上、が挙げられている。しかし、現実は「習い事」「塾」に通わせることが出来る比較的裕福な家庭の子弟が、有名な私学や国立に入学する。昨今は、公的教育機関の充実を諦め、塾を推進する学校が増えているとも聞く。
日本の「国力維持・向上」のためにも、私学のあり方、公教育のあり方、塾の位置付け、など根本的に国民全体で考え直す時期に来ているのではないかと思えてならない。
